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てだこちゃんイラスト てだこの沖縄島通信

008号

6.ちーいりちー


これも(?o?)なネーミング。「イリチー」とは、炒め物のこと。「チー」は血。つまり「血イリチー」というちょっと怖い(^.^;)文字が当てはまるのですが、そのものズバリ、豚の血を炒めたものです。うきゃー。これは強烈(@o@;;)血なんか食べられるの〜!?と思ったあなた。あまーい。そもそも昔から豚などの家畜の血は、世界中で食べられています。ソーセージにしたり固めたりして大事に食べる貴重な栄養源。捨てるなんてとんでもない!沖縄ではニラと一緒に豪快に炒めて食べます。

私がこの料理を初めて口にしたのは、ある年の旧正月。本島北部のご家庭にお邪魔して旧正月の料理をご馳走になったときいただきました。沖縄ではお祭りなど殆どの行事が旧暦で行われていますが、正月も、新正月と旧正月があります。今は学校や会社の都合もあり、都市部では新正月が普通になってきましたが、潮の満ち干と共に生活をしているウミンチュ(海人=漁師さんのこと)達の多いエリア、例えば本島南部の糸満(いとまん)、北部の本部(もとぶ)などは、今でも旧正月が本当ののお正月、という感じで行事をしています。

もともと中国から14世紀に宮廷に伝わった豚を、庶民が口にするようになってからも、貴重な蛋白源として、年に1回正月に1頭を1軒か2軒の家でつぶし、1年かけて大事に食べたそう。切り分けた肉は、塩漬けや油漬けにして保管できたけれど、血や内臓は、すぐに食べていたらしい。旧正月の食卓に登場したこの料理も、多分その名残ではないかな?と想像しています。(普段はあまりお目にかからない料理ではあります)

フランスの血のソーセージを食べたときもそう思いましたが、実に味わい深く、しみじみ美味しいのです。想像していた様な血の味が全くと言っていいほどしないのが不思議な感じです。見かけは結構グロテスクと言えばそうなのですが、本土から来た私が、美味しい美味しいといってお代わりするものだから、初めは心配そうに見ていた、お料理して下さった主婦の方がとても喜んでいたのが印象的でした。

沖縄料理に限らず、世界中では、私たち日本人が想像だにしないものを食べる習慣があったり、貴重な栄養源として大切にしていたりします。それを好奇心だけで騒ぎ立てたり、蔑んだりするのは、どうかな?思うことがあります。刺身や納豆を美味しいと思っても、それを食べたことのない人には美味しさがわかって貰えない悲しさはありますが、それはそれ。好んで食べている食べ物をあれこれ言うのは、とても恥ずかしい行為だと思います。良いじゃないですか、それぞれが好きなものを美味しく食べる。味覚は個人的なものなんですものね(^^)。


 


 
◇料理工房・てだこ(^o^) 亭
  http://www.tedakotei.com/

 


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