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てだこちゃんイラスト てだこの沖縄島通信

020号

ムジ汁と沖縄の芋たち
 
 無地汁?いえいえ、ムジというのは田芋の茎のこと。田芋というのはターンム、ターム、などと呼ばれるタロイモの仲間。本土ではまず見かけない芋です。私も沖縄に来て、市場などで山積みされている紫色の断面をした灰色の皮がついた里芋のお化けみたいなものは一体なんだろう?!とずっと疑問に思っていましたが、それが沖縄の行事食には欠かせないターンムだと知るようになったのは移住した後でした。

 沖縄で有名な芋は、他に「サツマイモ」がありますが、あれは元々中国から入ってきたものを野國(のぐに)総監という人が琉球に広めて、いまのご飯に当たる「主食」になりました。それが薩摩(鹿児島県)にも伝わり、そこから本土へ広がったため「サツマイモ」と言われていますが、元は琉球芋なんですよ(^o^;)。他にも琉球から先に広まったものも多く、食べ物だけでなく麻酔技術などもあるそうです。やはり中国の近くにあるせいでしょうか。現代でも台湾や中国の影響を色濃く感じることが日々あります。

 サツマイモの中でも中味が紫色のものを「紅いも」と言いますが、アントシアニンやポリフェノールが豊富に含まれているとかで人気の芋です。沖縄では料理の他にお菓子の素材として人気でもあります。紫色の紅いもペーストで作ったモンブランなどは、栗の黄色いモンブランと色違いで、味も濃厚、なかなかのものですから、これも沖縄旅行なさったらぜひ食べてみてください。

 華やかな感じの紅いもの陰に?隠れた控えめなターンム。しかし味わいは深く、一度食べたら忘れられない芋でもあります。沖縄の行事食、主にお仏壇にお供えするお盆やお正月の重箱料理のなかには、ふかしたターンムを油で揚げ、砂糖醤油のたれにくぐらせた料理が必ず入ります。できたてはもちろん、さめてもとても美味しい不思議な料理です。これは行事に参加しなくても、市場あたりのお総菜屋さんで普通に売られていますから、旅行者でも食べられます(^・^)。

 そんなターンムは、文字通り田んぼで育てられる芋で、里芋の遠〜〜い親戚といった感じです。売られている時は既に蒸されています。あくが強いから?かもしれません。紅いもは生で売られていますが検疫の都合上持ち出しはできませんけれど、ターンムは、火が通っていますのでお土産にもokです。

 その茎、ムジですが、これは生のまま売られています。ムジ汁は食堂メニューでも滅多に見かけないのですが、見かけたら必ず注文してしまうほど美味しいおつゆです。この場合のおつゆは、今まで書いてきたとおり、丼入りのみそ汁仕立て、という意味です(^・^)。他に豚肉を入れたりして、まあ感じとしては普通の豚汁にかなり近いせいかなじみやすい味です。薄緑色の茎が目に優しく、舌の上でとろけます。ムジ汁には、芋の部分は入れないようです。

 ターンムの料理で有名なのはドルワカシー。ふかしたターンムをつぶしてだし汁で少しのばし、豚肉や椎茸などの具を入れた料理ですが上手下手が別れるメニューで(^.^;)なかなか美味しいものにお目にかかりません。私の店では付け合わせにターンムをオリーブオイルでソテーしたものを出したり、「ほりほり播州ハム」さんの炭火燻製ベーコンと一緒にさいの目に切ったターンムとムジをソテーして、生クリームと北イタリアのパルミジャーノレッジャーノチーズでソースを作りパスタとあえて出していますがこれがことのほか好評で人気メニューとなっています。イタリア料理にもバッチリあう、このターンム、なかなか目が離せない食材でもあります。

 
 




 


 
◇料理工房・てだこ(^o^) 亭
  http://www.tedakotei.com/

 


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